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書評『春にして君を離れ』アガサなのに人が死なない極上いやミス

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書評『春にして君を離れ』アガサなのに人が死なない極上いやミスこんにちは、じゅんです。

はなもも

今回はミステリーの女王

アガサ・クリスティーの

小説を紹介します。

アガサ・クリスティなのにミステリじゃない

今回紹介するのは

アガサ・クリスティなのに

ミステリじゃない小説

『春にして君を離れ』

です。

実はこの作品、刊行当時は

アガサ・クリスティ名義ではなく

『メアリ・ウェストマコット』という

ペンネームで出していたそうです。

そして、アガサ・クリスティが著者であることを

漏らさないよう箝口令まで敷かれていたそうです。

何故か?

それはアガサ・クリスティが

『アガサ・クリスティ』だからという理由で

読んでくれた読者が、ミステリではないことに

失望してほしくなかったから、

という配慮からだったらしいのです。

人は死なないけど恐ろしい物語

アガサ・クリスティと言えば、

『そして誰もいなくなった』

であるとか、

『オリエント急行殺人事件』

の様な『名探偵ポワロ』シリーズであるとか

ストーリーの中で、大体何人か死んでます。

しかし、この

『春にして君を離れ』

では誰も死にません。

だけど、この物語、

人間の怖さをすごく感じる作品です。

読後感は本当に後味の悪さが残ります。

主人公の女性『ジョーン・スカダモア』は

夫のロドニーと3人の子供に恵まれています。

自分は誰よりも優れている、

自分の考え以外のことは全て誤り、

『自己中』という言葉はこの人の為にある、

と言いたくなる性格の持ち主。

しかし、ジョーンも昔からそんなではなかった。

ロドニーと出会った頃はもっと相手を思いやれる人間だった。

そんなジョーンが一人で旅をする中で起きた

トラブルの中で、昔の感情を取り戻し、

次第に夫や周りの人たちに

これまでの自分の言動を悔恨し、

次会う時は生まれ変わった気持ちで

接しようと誓うが・・・

人間の優しさ、醜さ、他人を思う気持ち、

自己中心的な考え方、どれも

ひとりの人間の感情の中で

共存する。

たまには人の死なない『ミステリー』で

極上の嫌な気持を味わってみて下さい。